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「食欲がとまらない!」その欲求、実は”ニセ食欲”かもしれません

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「痩せたいと本気で思っているのに、食欲をどうしても抑えられない」「食欲がとまらなすぎて病気かと心配になる」…ちょっとインターネット上を見るだけで、そんなダイエッターさんたちの悲鳴をあちこちに見かけます。

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食欲が旺盛なのは基本的にはとても良いことです。
しかし何らかの原因によってそのリミッターが狂ってしまうと、体がもう食べ物を求めていないのにいつまでも食べてしまう、結果的に体重も脂肪も増え続けてしまうということが起こり得るのが私達人間の体です。

特にダイエットをしよう!と決意した人にとっては、最初かつ最も高いハードルにもなってしまうのがこの「食欲のコントロールの難しさ」でもあります。

ですが、実はあなたが今感じている「空腹感」は”ニセの食欲”なのかもしれないとしたらどうでしょうか?

この偽物の食欲のコントロールこそが”食事制限”の肝とも言えます。
ダイエットしよう!と心に決めたら、まずは冷静に「体の仕組み」から勉強してみましょう。

”食欲”の仕組みを知り、コントロール方法をイメージしておくだけでもグンとハードルが下がりますよ。

目次

1 痩せたいのに食欲が止まらない!
1-1 ダイエット中だからこそ「食べたい」欲求が増える
1-2 極端・無理な「食事制限」をしていませんか
1-3 「食べ方の意識」を変えることからスタート

2 ダイエットしたいなら知っておこう!食欲の基礎知識
2-1 そもそも「食欲」とは何なのか
2-2 食欲には「本物」と「偽物」の2種類がある
2-3 我慢すべきは「偽物」の食欲のみ
2-4 「別バラ」の正体は脳の記憶

3 食欲が止まらない原因は主に”脳”にある
3-1 量は足りているのに脳が満足していない
3-2 生理前後のホルモンバランスの乱れ
3-3 睡眠不足などによる自律神経のバランス
3-4 冷えが食欲を呼ぶ場合もある

4 食欲をコントロールする7つのポイント
4-1 食前に水を飲む
4-2 ゆっくりと噛んで食べる
4-3 食事は汁物→繊維質→固いもの→肉・魚→炭水化物
4-4 3口に1回水を飲む
4-5 “ながら食い”は脳が満足してくれない
4-6 どうしてもという時のおやつは「噛む」ものを
4-7 セロトニンを制するものは食欲を制す

5 何をしても食欲が止まらない…そこに潜む病気の影
5-1 糖尿病は血糖値のバランスを保てない病気
5-2 甲状腺機能亢進症などによるホルモンの分泌異常
5-3 胃炎・胃潰瘍の初期症状で食欲が増す人もいる
5-4 誰でもなりえる…過剰ストレスによる”うつ”のサイン

6 日常生活も見直そう!脳と胃腸を整える健康習慣
6-1 朝日を浴びて脳をスッキリさせる
6-2 「ぷち小汗」はホルモンバランスを整える
6-3 お口のリセットが脳をクールダウンさせる
6-4 「寝だめ」はNG!ダイエット中は睡眠時間も気にすること

7 まとめ

1 痩せたいのに食欲が止まらない!

1-1 ダイエット中だからこそ「食べたい」欲求が増える

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「体重を落としたい」というダイエットなら、やはり食事制限はある程度必要になってきます。

特に糖質・脂質といった『余り易い』エネルギー源を控えることで、体内に余分な脂肪が溜め込まれにくくなり、かつ足りないエネルギーをすでに蓄積された脂肪から供出するようになるので体重は落ちてくる、というわけです。

しかし、ダイエットはほとんどの場合「一念発起」しないと始められないもの。
医師から指導をされた場合、お友達や家族から指摘された場合、スタイルの良い芸能人を見た場合…などなど、何かのきっかけがないとなかなか食生活を見直そうとは思いませんよね。

実はこの「一念発起」が、ダイエット中の食事制限を邪魔する最大の元凶とも言えるのです。

これまで何の不自由もなく好きなタイミングで好きなエネルギーを摂っていたことを、体と脳はなかなか忘れてくれません。

「なぜ今日は甘いおやつが来ないんだろう?空腹を感じていないのかな?」と脳が勘違いし、いつも以上に「お腹がすいたよー!おやつをちょうだい!」という緊急信号を出します。

そのため、「ダイエット中なのに食欲がとまらない…」と悩む人は後を絶ちません。

そう、正しくは「ダイエット中【だからこそ】食欲がとまらない」のです。

1-2 極端・無理な「食事制限」をしていませんか

ダイエット中に食欲を抑えられないもう一つの理由が、【急激・かつ極端な食事制限をいきなり開始した】という場合です。

「◯日までに5kg痩せよう!炭水化物は全部抜いて、糖質もカット。野菜をしっかり食べてれば大丈夫だよね」

これはダイエットを決意した人が立てやすい、「最初の計画」です。
一時期は糖質オフ、炭水化物オールカットのダイエット方法が流行したのも事実ですし、スポーツトレーナーの中には未だにこうした極端なダイエット法を指導する人も(少なくはなりましたが)います。

先に述べた通り、体は「1日に供給されていた豊富なエネルギー源」のことをなかなか忘れてくれません。そのため、「2週間で5kg痩せたいから明日から全てカット」といった極端な方法を考えついたとしても、99%の人の体は受け付けてくれません。

それどころか、エネルギーを摂取できない生命の危機的状況だと勘違いし、体のあらゆる機能を低下させエネルギーを使わない「省エネ対策」をしだします。

「省エネモードにしている今のうちに、早くエネルギーを補給しなくちゃ!」と脳は緊急信号を出し続けますから、省エネモードになったからといって空腹感は止まりません

その緊急信号を無視し続ければ低血糖状態を起こし、体質によっては失神や痙攣などの重大な症状を招く危険すらあります。

痩せたいという人ほど、「方法が極端になっていないか」を毎日冷静に分析する必要があるのです。

1-3 「食べ方の意識」を変えることからスタート

では、どういう食事制限をすれば安全で、さらに食欲を抑制できるのでしょうか?

詳しくは後述致しますが、まずは「ダイエット前の食事で何キロカロリーを摂っていたか」、そして「自分の体の適正摂取カロリーは何キロなのか」の2点を知る必要があります。

1)自分のこれまでの食事カロリーを見直すポイントとして、「省かないで全て足す」ようにして下さい。
自分のこれまでの摂取カロリーがわからないと「どこをカットすべきか」がわかりません。

過去3日分程度で良いので、まずは朝起きてから夜寝るまでの間に口にしたものを全てメモなどに記録して下さい。無料のアプリも沢山配布されています。

そして、1日の終わりに「今日は何カロリー取ったかな」というのを大まかでも計算してみます。現代ではほとんどの食品のカロリーはインターネットで調べられますから、全て足し算するだけでOKです。

2)自分の体の適正摂取カロリーは、次の計算式に当てはめて計算してみて下さい。

☆1 身長(m)✕身長(m)✕20=美容体重の目標値
※BMIが18以下になると疾病のリスクが高くなります。計算式に18以下の数値は入れないようにして下さい。

☆2 美容体重の目標値✕25~30=ダイエット中の必要摂取カロリー
※標準値で計算するとダイエットの目的にそぐわなくなりやすいので、ここでは美容体重を前提にした摂取カロリーの計算方法をご紹介しています。標準体重、標準摂取カロリーを知りたい方は別記事のこちらを参照してみてください。http://mion.pink/articles/tokoroten_diet/

身長160cmの女性であれば美容体重は「1.6✕1.6✕20=51.2kg」が目標の体重です。
この体重の適正摂取カロリーは「51.2✕15~30」なので、「1280kcal~1536kcal」となります。

次に、1)で暫定的に出した自分の普段の摂取カロリーから、目標の適正摂取カロリーの差を出してみて下さい。例えば1日2200kcal摂っていたなら、800kcal~1000kcalがオーバー分です。

脂質の高いおやつ、例に出せばショートケーキは平均的には1ピース350~400kcalです。

つまり、1日ショートケーキ2個分の糖質と脂質をカットすれば良いということがおわかり頂けましたでしょうか?

これなら、食欲が抑えられないのにおやつを絶対に食べてはいけない!というストレスからも少しは解放されると思います。
ぜひ、無理で極端な食事制限をするのではなく、理論に基づいた安全な食事制限をするようにしてください。

2 ダイエットしたいなら知っておこう!食欲の基礎知識

2-1 そもそも「食欲」とは何なのか

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健康な体なら、必ず「食欲」は持っています。生命を維持するための重大な欲であり、排除は出来ません。

体は「ただ呼吸し、心臓を動かしておく」だけでもエネルギーを使います。寝ている間にもこのエネルギーはどんどん消費され、消費した分はほとんどの場合食物から補給する必要があります。

体の細胞がエネルギーを使うためには「糖」が必要です。
この糖が不足すると強制的に体が省エネモードへと移行してしまうため、再び効率よく活発に活動するために「エネルギーの追加補給をしてください」という指令が体中に巡ります。

これが空腹感となり、「お腹が空いた」と言われる状態になるのです。
この指令を無視してしまうと、各臓器だけでなく神経系統、精神状態にも影響が出てきますし、過度なエネルギー源の欠乏は臓器など細胞の活動停止を誘発してしまうことさえあるのです。

2-2 食欲には「本物」と「偽物」の2種類がある

食欲には2種類の正体があると考えられています。
先に述べた「糖などエネルギーの欠乏を予測した上での食欲」は”生理的食欲求”といって、生きていく上で欠かすことも排除することも出来ない欲求です。

もう1つが”感覚的食欲求”、すなわち”偽物の食欲”です。

ついさっきご飯を食べたにもかかわらず、「テレビの食レポ番組を見ていたらお腹が空いてきた」「家族が食事している音を聞いたらお腹が空いてきた」「近所からいい匂いがしてきたらお腹が空いた」といった経験をされた方は多いはずです。

これが偽物の食欲、すなわち五感が得た情報から脳が「記憶」を呼び覚まし、「食べたい!食べたら絶対幸せ」と体に呼びかけている状態です。

最後に食事をしてから6時間以上経過しているなら、それが生理的欲求である可能性も否定はできません。

しかし、2~3時間しか経っていないのであればほとんどの場合、「エネルギーを補給しないと生命の危機」といった本物の食欲ではない場合がほとんどです。


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