ゲンタシン軟膏の効果とは？ゲンタシン軟膏の使い方とその注意点

2.こんな症状に効果がある

さまざまな皮膚感染症の治療に使用されるゲンタシン軟膏ですが、「表在性皮膚感染症、慢性膿皮症、びらん・潰瘍の二次感染」といってもむずかしくてわかりにくいですよね。具体的にはどんな症状に効果があるのでしょうか。

2-1.ニキビに

ニキビとは正式な病名は「尋常性ざ瘡」です。ホルモンやストレスなどの影響で皮脂が分泌が高まり、ターンオーバーがうまく行われなかったり、男性ホルモンや紫外線で皮膚が固くなることにより毛穴に皮脂が詰まり、さらにアクネ菌が増殖して炎症を起こし、膿んだニキビになってしまいます。

ゲンタシン軟膏はアクネ菌や黄色ブドウ球菌の増殖を抑えるので、ニキビの治療に効果があります。ただし、どんなニキビにも効果があるわけではありません。ゲンタシン軟膏の作用は抗菌ですので、まだ細菌感染を起こしていない「白ニキビ」や「黒ニキビ」には効果がありません。炎症を起こしている「赤ニキビ」や化膿している「黄ニキビ」に効果があります。

2-2.切り傷や擦り傷に

転んですりむいた傷が膿んでジュクジュクと化膿してしまった時や、包丁で指を切ってしまった時など、切り傷や擦り傷にもゲンタシン軟膏は効果があります。膿んでしまうような傷口にはもちろん、感染症予防という意味でも処方されることが多いようです。

2-3.やけどに

うっかりやかんを触ってしまった、鍋蓋を開けたら熱い蒸気でやけどした。日常生活の中で軽いやけどになることはありますよね。やけどは何を置いてもすぐに水で冷やすのが肝要です。この「すぐ」というのが大切で後から冷やしても効果は半減してしまいます。

軽いやけどなら冷やしただけでも、赤みが少し残るだけで数日で治ってしまうことがありますが、水ぶくれができた時には注意が必要です。早く治そうと水ぶくれをつぶしてしまう人もいますが、厳禁です。水ぶくれの中の水には患部を守ってくれている成分が入っています。自然につぶれるまで待ちましょう。

水ぶくれができてしまったやけどや、水ぶくれが治る前につぶれてしまって滲出液が出てジュクジュクする時にはゲンタシン軟膏をやけどの部分にそっと乗せるように塗りましょう。

2-4.とびひに

とびひとは「伝染性膿痂疹」という細菌に感染する皮膚病です。細菌が皮膚のあちこちに伝染し、水ぶくれやかさぶたを作ってしまう病気で、火事の飛び火のようであることから「とびひ」と呼ばれています。ケガや虫刺され、あせもや湿疹を掻いた傷などが原因となります。幼児が罹ることが多く、夏に感染率が高くなり人にもうつる皮膚病です。

2-5.おできに

おできは「せつ」とも呼ばれ、毛穴の中の毛包に細菌感染によって炎症が起きて膿みや赤み、痛みの症状が出る皮膚病です。原因は傷などによる黄色ブドウ球菌の感染であることが多く、また湿った状態だと感染しやすく衣服で覆われている臀部（おしり）や太ももにできることが多いようです。ひどい状態なら抗生物質を服薬することもありますが、化膿している患部にゲンタシン軟膏を塗ることも有効です。

2-6.股擦れに

股擦れとは太ももの内側がこすれて、摩擦により肌に炎症が起こることですが、ひどくなると痛みや化膿することも。股擦れの原因は一番多いのが肥満、そして筋肉質、内股、歩きすぎなどがあります。女性でスカートをはいている事が多い方も股擦れを起こしてしまうことがあるようです。汗をかくことが多い夏や蒸し暑い時に悪化します。化膿してしまうほどの股擦れにはゲンタシン軟膏が有効です。

2-7.ヘルペスに

ヘルペスとはウイルスによる感染症で、原因となるウイルスの種類は８種あり、唇にできる口唇ヘルペスや陰部やおしりにできる性器ヘルペスなどの「単純ヘルペス」、水疱瘡、帯状疱疹などの「水痘・帯状疱疹ウイルス」などがあります。症状は小さい水ぶくれができて痛痒いことで、水疱瘡の場合は発熱も伴います。いったん治っても、免疫力が落ちた時に再発することもあります。