痛風対策はまず食事の改善！高尿酸血症の原因とオススメ予防法とは？

特に気をつけたいのがビールです。ビール1缶あたり12～25mg/350mL程度のプリン体が含まれると言われています。プリン体の量的にはそう多くはありませんが、毎日飲むと痛風にかかるリスクが高くなってしまいます。

また、低プリン体ビールというものも販売されており、プリン体が少ないので普通のビールよりは良いと考えられますが、長期的な影響はまだ検証されていないので不明です。

低プリン体だからといって飲み過ぎてしまえば、結果的にはプリン体を摂りすぎることにもなりかねません。

逆に焼酎やワインなどにはプリン体が少ないといわれています。だからといって、ビールでなければたくさん飲んで良いということではありません。

アルコールそのものが尿酸の排泄を妨げるともいわれています。休肝日を週に2日は設けるなどして、アルコール全体の摂取量を減らすようにしましょう。

お酒を控えることはもちろん大切ですが、問題はお酒のおつまみの方にもあります。一緒に食べるとお酒が進むような、刺身の盛り合わせ、鳥の唐揚げなどはプリン体も多めです。

お酒とおつまみを夕食がわりにしているような方は食生活を見直すようにしてください。しっかりバランスの良い食事を心がけて、乱れた食生活を改善していくようにしましょう。

4.5食塩の摂りすぎに注意

痛風の方は高血圧を合併するケースが多いといわれています。塩分は摂りすぎないようにこころがけ、出汁や酸味、スパイスなどを生かして薄味を心がけましょう。

お酒のお供になるような、塩辛いおつまみは要注意です。例えば、干物、レバー、スルメなどの乾き物系はプリン体や塩分を多く含むため毎日食べないようにしましょう。

4.6バランスよく３食食べよう

あれこれ食べてはダメといわれると何を食べたら良いかわからなくなってしまいますね。ポイントはバランスよく3食食べることです。例えば外食では、丼ものではなく、ごはん、パンなどの主食、主菜（肉・魚・たまご・豆腐など）、野菜のある定食選ぶようにしましょう。

自宅で食べる時には、主菜に加えて小鉢を2、3種並べていただくバランスが理想です。また、食べる順番も重要。野菜やタンパク質から食べるようにすると、血糖値が上昇しにくくなり食べ過ぎを防ぐことができます。ご飯は後半からいただきましょう。

また、食べ方としては早食いをしないで、ゆっくり良く噛んで食べる、腹8分目までにするという基本を守ることが大切です。ゆっくり噛んで食べることにより、満腹中枢に伝わる前に食べ過ぎてしまうことを防ぐことができます。

4.7アルカリ食品を食べよう

また、尿が酸性に傾くと尿酸が結晶化しやすくなり痛風発作が起こりやすくなります。尿酸値が多い痛風患者さんは、尿が酸性に傾きがちです。

そこで尿をアルカリ化する食品を食べることもポイントです。アルカリ化するには、にんじん、ほうれん草、きゃべつなどの野菜やひじきなどの海藻類を食べるのがおすすめ。果物はメロン、バナナなどフルーツ全般にプリン体は少なめです。

ただし、果糖が多くカロリーオーバーになることもあるので、食べ過ぎは気をつけましょう。特に吸収されやすい100％ジュースなどは避けましょう。

また、牛乳もプリン体を含まず、尿酸値を下げる食品といわれています。これは牛乳に含まれるカゼインなどの成分が尿酸値の排泄を高めるためと考えらえれています。

野菜を料理して食べられないという方は、野菜ジュースなどを自宅で作ったり、青汁を牛乳で割って飲むのもおすすめです。

5.日常生活で行いたい痛風対策

5.1　適度な運動を続けよう

肥満解消のためにも痛風対策としても運動を取り入れていきましょう。運動によってエネルギーを消費して、筋力をアップさせると代謝が良くなり、体脂肪が減ってきます。

肥満を解消できれば尿酸値を下げやすくなってきます。特に、脂肪を効率良く燃焼するためにも、有酸素運動が良いといわれています。しかし、無理をして挫折してしまっては意味がありませんから、継続して行えることが大切です。

まずは簡単なジョギングやウォーキングなどでいいのできる範囲から始めましょう。駅ではエスカレーターやエレベーターを使わず階段を利用するなど、日常的にできる少しの努力を積み重ねていくことも大切です。

ただし、注意してほしいのは、激しい運動は逆効果ということです。運動でエネルギーを消費すると、体内のエネルギー物質であるATPを分解してしまい、尿酸が増えてしまいます。くれぐれも軽めの運動で、体にとって負担の少ないものを選びましょう。

5.2 ストレスを貯めない

また、ストレスも痛風を悪化させる要因の一つです。ストレスにより「アドレナリン」というホルモンが分泌されると、血管が収縮して尿酸が排泄されにくくなってしまいます。

ストレスの原因から距離を置くようにしたり、ストレスの元を無くすことが望ましいですが、完璧に取り除くは難しいですよね。そこで、ストレス解消になる趣味を見つけたり、一人の時間を作ったり、友人との会話などを楽しむなど、自分なりの対処法を見つけてみましょう。

痛風患者さんに多いのが、お酒を飲めないこと、好きなものを食べられないことがストレスになってしまうケースです。確かにお酒の飲み過ぎや、プリン体が多いものを食べすぎることは良くありませんが、ストレスも痛風を悪化させるリスクになります。

しっかり病院での治療を受けて尿酸値をコントロールできるようになれば、絶対にお酒を飲んではいけないという訳ではありません。お酒を美味しく飲むためにも、痛風を悪化させないよう、しっかり対策をしていくようにしましょう。

5.3 痛風対策におすすめのグッズをご紹介

痛風対策として、あらかじめ尿の酸性度を測って痛風の危険信号を測る方法があります。尿のpH試験紙というものが売っているので、尿のpHを測定してみましょう。

もし尿のpHが 4.6～5.4程度ならば酸性寄りになっているので、アルカリ食品や水分を摂取し、アルコールを控えることにより尿をpH 6.2～6.8程度の弱酸性に傾けるようにすると、痛風発作が起こりにくい状況を作ることにつながります。

また、痛風発作が起きてしまうと靴を思うように履けないことがあります。そこで、大きめのサンダルやクロックスのような足指に余裕のあるデザインのサンダルを一足持っておくと安心です。

痛風で大切な食事改善がうまくいかないという方は、痛風の方向けのレシピ本を活用するというのも手です。痛風患者さんだけでなく、家族全員で美味しく食べられるようなレシピを手にいれて、楽しく無理なく痛風対策をしていきましょう。

6.痛風対策に良いレシピをご紹介

6.1調理法を工夫しよう

痛風になったら食べ物を注意することも大切ですが、あまりに制限しすぎると何を食べたら良いか分からず、ストレスも溜まってしまいます。でも、痛風の場合は、調理法を工夫するだけでも意味があるんですよ。

例えば魚を食べる時には内臓を取るだけでもプリン体を減らすことができます。イワシを丸々煮たもの、しらす干し、にぼし出汁などはプリン体が多くなるので、内臓を含まない状態で食べるようにするだけでも意味があります。

また、プリン体は水溶性なので水に溶け出します。肉や魚などは茹でて煮汁を捨てることでプリン体を減らすことができます。逆に、鍋物などのスープを飲みほしたり、残った汁で作ったお雑炊などはプリン体を含むので控えめにしましょう。

和食の基本である、かつお出汁、にぼし出汁、また鶏ガラスープの素などはプリン体を多く含みます。出汁としては尿酸を排泄する作用がある昆布出汁を使うのがおすすめです。

6.2肉や魚は野菜と一緒にホイル焼きにしてプリン体をオフ！

尿酸値を下げるにはプリン体の摂取を減らすメニューを取り入れるのがポイントです。でも、あれこれ手間をかけて作るのは難しい方も多いでしょう。

そこで簡単にできておすすめなのが、肉や魚をたっぷりの野菜と一緒にホイル焼きにする方法です。