2 あらゆるところにニキビの原因が!知っておこうニキビの原因!
出典 | phot-ac
では、生え際ニキビの原因を探る前に、まずニキビそのものがなぜできてしまうのか、について説明します。
ニキビの最初の段階である、「毛穴に皮脂が詰まってしまう」というのはなぜ起こるのでしょうか?要は、これがなければニキビはできないわけなので、ニキビを根絶するにはそこを確かめておくことが重要です。
一般にはその原因は「肌が脂っぽいから」などと言いますが、仮に皮脂が多くても、それが毛穴にさえ詰まらなければニキビにはなりません。逆に、肌が乾燥していて脂っぽくなくても、皮脂が毛穴から排出されなければ、ニキビはできます。
2-1 ニキビの原因は皮脂の過剰分泌?
皮脂は、皮膚にとっては天然の保湿成分ですので、皮膚から異分子が皮膚の中に入るのを防いだり、皮膚から水分が蒸発してしまうのを防ぐためには重要な役割を持っています。しかし、それが一定量以上に過剰に分泌されると、排出しきれず毛穴に詰まってしまう、というのがまず第1に挙げられる原因です。
ではなぜ皮脂が過剰に分泌されてしまうのでしょうか?
2-1-1 青春のシンボルだから?思春期による男性ホルモン異常
男性で言えばペニスが大きくなってきたリ、陰毛が生えたり、女性であればバストが大きくなってきたリ、という段階に入ると、それは第二次成長期になったといいます。この時期は、男女ともに男性ホルモンが急激に増えるため、それによって皮脂の分泌が活発になります。
それが行き過ぎてしまい、過剰分泌になって毛穴が皮脂で詰まってしまうのです。これは20歳前後でホルモンバランスが安定するまで続きます。
2-1-2 ホルモンバランスの乱れると皮脂が過剰に分泌
また年齢と関係なく「ホルモンバランス」が乱れ、それによって男性ホルモン優位になることで、皮脂の過剰分泌は起こります。
■皮脂分泌を増やす「男性ホルモン」とは?
そもそも男性ホルモンとは?
一番代表的な男性ホルモンは、男性は精巣から、女性は卵巣から分泌される「テストステロン」ですが、この男性ホルモンには、皮脂分泌を増加させ皮膚の表面の構造である「角質」を厚くする作用があります。
また「男性」ホルモンといっても、女性の体内にも存在します。ただし女性の場合、その量は男性の1/10なので、結果的に、ニキビが重症化しやすいのは男性のほうが多い傾向があります。
男性ホルモンが増えるとなぜ皮脂が過剰に?
男性ホルモンの分泌量が増えると、それによって皮脂腺が刺激され、大量に皮脂が分泌されます。同時に、男性ホルモンは角質を厚くして毛穴を狭めてしまうために、皮脂の過剰分泌とあいまって毛穴に皮脂が詰まってしまいます。このダブルの悪影響でニキビができ、悪化するのです。
この男性ホルモンの影響を最も受けやすい部分は、もみあげから顎にかけての「フェイスライン」です。ここにできるニキビは後で書くように、ストレスによるものも多いので、治りづらいのが特徴です。
■ストレスによっても男性ホルモンが分泌
精神的なストレス、肉体的なストレス、どちらのストレスを受けた場合にはあるホルモンが出ますが、それは一緒に男性ホルモンの分泌も促します。そのため、強いストレスや慢性的なストレスが続くと、皮脂の過剰分泌が起きます。
ストレスで男性ホルモンが増える理由は?
ストレスを感じた時に男性ホルモンが過剰に出てしまうメカニズムは以下の通りです。
ストレスを感じると、まず抗ストレスホルモンの「コルチゾール」というもの分泌されます。副腎皮質から分泌され、ストレスに対抗する働きを持つホルモンです。主に寝ている間に働き、エネルギー代謝を促したり、昼間に受けるストレスに対する準備をしたりする、本来は頼もしいホルモンです。
しかし、このコルチゾールが厄介なことに、ストレスに対抗する働きのほかに、男性ホルモンの分泌まで促してしまうのです。それがまわりまわって、皮脂分泌を増やし、ニキビを作り悪化させるのです。
■睡眠不足も男性ホルモンを分泌
睡眠が不足すると、身体も心もリラックスする時間が無くなり、常に緊張状態におかれ、自律神経のうち「身体が動く時に働く」交感神経優位になります。この交感神経が、また男性ホルモンの分泌を促す作用を持っているのです。ですので、睡眠不足は自律神経のバランスを崩し、それがこちらも回りまわってニキビの発生や悪化につながるのです。
■生理による皮脂の過剰分泌
生理前に分泌される黄体ホルモンとニキビの関係は?
女性の体の中で、生理の排卵後から生理前にかけて分泌される黄体ホルモンにも、皮脂分泌を増やす作用があります。ですので、生理になるとニキビができやすくなるのです。
また、黄体ホルモンは皮膚の水分量を低下し、皮膚は乾燥します。すると、皮膚のバリア機能を維持しようとするメカニズムが働いて、皮脂が増え、角質が厚くなって毛穴をふさがれ、それによっても毛穴が詰まってしまいます。それでさらにニキビが悪化するのです。
月経前症候群(PMS)もニキビの原因に
生理前になると、心身ともに不調に陥るという人も少なくありません。これは月経前症候群(PMS)と言って、胸のハリ、手足のむくみ、頭痛、胃腸障害などの身体的なものや、イライラ感、無気力、憂うつ、不安、集中力低下などの精神的なものをもたらします。生理前に女性がイライラすることが多いのは、主にこれが原因です。
この月経前症候群は、女性にとっては大変なストレスです。すると、このストレスが先に書いたように、男性ホルモンの分泌につながり、さらに皮脂を過剰に分泌させ、ただでさえ生理で悪化しているニキビをさらにひどくしてしまうのです。
2-1-3 皮膚が乾燥してるのに?それでも皮脂が過剰に分泌
皮膚は年齢による代謝機能の衰え、冬などの乾燥した空気の影響、過剰な洗顔による皮脂の落としずぎ、などが原因で乾燥します。
そもそも皮脂は、皮膚から水分が蒸発するのを防いだり、皮膚の細胞の隙間から異物が入ってい来るのを防いだり、といったバリア機能を支えていますが、この皮脂が乾燥によってなくなると、身体はバリア機能を復活させようと、皮脂を一生懸命分泌します。
その分泌が多くなりすぎて、皮脂の過剰分泌になり、ニキビができるのです。ですので「乾燥肌だからニキビにならない」のではなく、「乾燥肌だからこそニキビになりやすい」のです。
2-2 バランスの悪い食事が皮脂の過剰分泌に
皮脂分泌には食事も関わっています。それは脂っこいものを食べるから、という単純なことではなく、脂質が少なくても皮脂分泌に影響することがあります。
2-2-1 要らない栄養分をとりすぎ、必要なものが不足している
■脂質、糖質過多
動物性脂肪や糖質は皮脂腺を刺激する働きがあります。もちろんこれらも身体にとっては必要な栄養素ですが、とり過ぎは確実に皮脂分泌を増加させ、ニキビの原因になります。この部分だけ取ると、脂分をとりすぎてニキビになる、は正しい話です。
■タンパク質不足
タンパク質は、皮膚や爪、毛髪、筋肉、内蔵など身体を作る上で重要な栄養素ですが、バランスが悪い食事ではこれが不足します。すると、古い皮膚がはがれ、新しい皮膚が生まれる「ターンオーバー」のサイクルが乱れます。それは古い角質がはがれず残ってしまう(過角化と言います。あとでも出てくるキーワードなのでお忘れなく)ことにつながり、毛穴を塞いでしまいます。
同時にタンパク質は免疫細胞の材料でもあるため、不足すると免疫力が低下します。毛穴の中では、アクネ菌への抵抗力が弱まります。
このダブルの悪影響によって、ニキビができ、悪化していくのです。
■ビタミン不足
ビタミンもバランスの悪い食生活の中で不足しがちなものです。特に、新陳代謝を促進するビタミンAやビタミンB6が不足すると、肌のターンオーバーが乱れ、タンパク質不足と同様に、古い角質が残る過角化を招きます。さらに、皮脂のコントロール作用があるビタミンB2が不足すると、皮脂分泌が過剰になります。
ビタミン不足はさらに悪い状況をもたらします。ビタミンCには抗酸化作用があります。これが不足すると、悪玉酸素である活性酸素が増加して毛穴の中で炎症を起こし、ニキビを悪化させるのです。
■必須脂肪酸の不足
サバやイワシなど「青魚」に豊富に含まれている必須脂肪酸は、肌の再生を促す栄養分です。ですので、こういうものを食べずにいると、必須脂肪酸が不足して、ターンオーバーのサイクルが乱れ・・・、あとはタンパク質の不足の時と同じです。
2-2-2 高GI食ばかり食べて血糖値が上がっても、皮脂の過剰分泌になる
お菓子などの糖類を多く含む食品や、ご飯、パンなどの炭水化物の中には、「高GI食」と言われるものがあります。この高GI食ばかり食べていると、身体や精神のバランスを崩す恐ろしいことになりますが、その中のひとつにニキビができることも含まれます。
■恐ろしい「高GI食」とは?
「GI」とは、消化した食品が糖に変わるまでの速さを表すもので、これが高いと糖尿病になります。高GI食としては、ブドウ糖のGI値を100とすると、白米は70、玄米は50なので、食後の血糖値の上昇度合いは白米の方が速いと言えます。他には、じゃがいも70、さつまいもは48、精白パン95、パスタ55などが挙げられます。
■高GI食って怖い!過剰な皮脂分泌を引き起こす高GI食
GI値の高い食品を食べると、急激に血糖値が上がります。するとその血糖値を下げるためにインスリンという物質が分泌されます。ところがインスリンは、血糖値を下げるほかに、これもまた男性ホルモンを刺激する働きも持っているのです。ですので、高GI食→インスリンの過剰分泌→男性ホルモンの増加→皮脂の過剰分泌となってしまうのです。
2-2-3 嗜好品類も皮脂を過剰に分泌する
コーヒーや紅茶、アルコール類などの嗜好品も要注意です。
コーヒーや紅茶に含まれるカフェインは、ビタミンBの吸収を妨げ、その結果皮膚のターンオーバーを乱し、古い角質層を表面に残してしまい、毛穴を詰まらせる原因になります。
さらには、アルコールは皮脂腺を直接的に刺激し、皮脂の過剰分泌を起こします。
2-3 毛穴つまりの原因になる角化異常
ここまで、必要な栄養素が不足することでのターンオーバーの乱れ、それによる古い角質が残って角質のが厚みを増す「過角化」について触れましたが、それはほかの原因でも起きます。
2-3-1 外的要因で過角化に
肌の外側からの刺激が、過角化を引き起こすことがあります。
■間違ったスキンケアがニキビの原因に
自分ではニキビによいと思って行っているケアが、実はニキビを悪化させている場合があります。
保湿が不十分
皮膚が乾燥すると、先に書いた「バリア機能」が低下します。すると刺激から皮膚を守ろうとする働きで、皮脂が過剰に分泌されると同時に、角質が厚くなります。それによってニキビができてしまいます。
この皮膚の乾燥は保湿不足が原因です。たとえば、洗顔後に化粧水しかつけず、クリームなどで「油分によるフタ」をしないでいると、水分が蒸発してしまい、それと一緒に角質層の水分も失われてしまいます。
10代向けのニキビケアを使っている
「ニキビ用スキンケア」と謳っている化粧品の多くは、「思春期ニキビ」用のものです。それらには油分の配合を抑えることによって皮膚を乾燥させる効果と、皮脂を抑えニキビ菌を殺菌する効果があるように設計されています。
ですので、「大人ニキビ」なのに「ニキビ用スキンケア」を使うと、絶対的に保湿成分が足りず、使っているうちにどんどん肌機能が低下して、過角化やニキビの悪化を招いてしまうのです。
また、本来アクネ菌は悪玉菌ではなく、皮膚を健康な状態に保つ働きもしており、皮膚にとって必要なものです。ふさがった毛穴の中で増殖して、炎症の原因にならない限り、必要以上に神経質に殺菌をする必要はありません。
■紫外線もニキビの原因に
紫外線は皮膚の細胞組織を破壊するような強いパワーを持っています。ですので紫外線を浴びた皮膚は、その刺激から自分たちを守ろうとして角質を厚くしていきます。
また、紫外線によって発生する悪玉酸素の活性酸素は肌の機能を低下させます。これによりターンオーバーがうまく行われなくなり、過角化や毛穴の詰まりを引き起こします。
これらのメカニズムで、紫外線によってもニキビができるのです。
2-3-2 悪い生活習慣もニキビの原因に!
皮脂の過剰分泌を起こすような生活習慣は、過角化の原因にもなります。
■ストレス
これは先ほど述べたので簡単に振り返りますが、人間の身体はストレスを感じると、コレチゾールという抗ストレスホルモンを分泌します。このホルモンが男性ホルモンを刺激して、それが皮脂分泌を増やし、ニキビの原因になります。
■睡眠不足
これも先ほど触れました。睡眠不足も、男性ホルモンの分泌を促し、皮脂の過剰分泌を引き起こします。
また睡眠不足は皮膚機能を低下させ、ターンオーバーのサイクルを乱し、「過角化」を招きます。やがてその周辺の毛穴は、詰まってしまい、ニキビができてしまいます。
特に質の良い睡眠をとらないと大変
睡眠中に分泌される成長ホルモンは、筋肉、骨、内臓器官などが成長するために重要な役割を持っています。その中には皮膚の調子を整える働きもあります。これは、成長ホルモンにより肌の細胞分裂と修復が進み、肌が再生するからです。
ですので、睡眠不足になると、この成長ホルモンが十分に働かなくなり、肌の細胞が傷付いたまま老化していくため、肌の状態が悪くなり、それがニキビを発生させるのです。
就寝時刻も重要
その大切な成長ホルモンの分泌量のピークは、睡眠に入った直後から3時間です。また、ターンオーバーが活発に行われる時刻は22時から翌2時までです。
つまり、健やかに肌を生き返らせるためには、22時までに寝ることと、しっかり睡眠時間をとることなのです。それがニキビ予防につながります。
2-4 肌にいいと思って使っていた基礎化粧品やメイクもニキビの原因に!
本来は肌を守り、美しくするための化粧品やメイクが、逆に毛穴を詰まらせる直接的な原因にもなります。
特にカバー力が強く、粒子が小さいリキッドファンデーションやコンシーラーなどのメイク用品は、毛穴に入り込んで蓄積する可能性があります。それは基礎化粧品でも同様で、ニキビを予防するために使うクレンジング剤や洗顔料も、洗い落とし切らずに、肌の上に残ってしまうと、それも毛穴に詰まってしまいます。
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