2.潰したほうがいいの? 潰さないほうがいいの? ニキビの症状によるケア
ニキビは潰したほうがいいとか潰さないほうがいいとか言われますが、ニキビには進行の段階があります。その段階によって違いがあります。
2-1.〈最初の段階⇒白ニキビ・黒ニキビ〉
最初の段階では毛穴近くの上部の内側の角質が厚くなり、
厚くなった角質に毛穴が塞がれると皮脂の出られなくなってしまいます。
それが毛穴一杯に溜まってしまうと白く盛り上がり、それがニキビ初期段階のコメドです。
面胞(コメド)は皮脂や角質が毛包につまっていて、
なおかつ粟粒ほどに小さくもりあがった状態をいいます。
面胞には二種類あります。
一つは毛穴がふさがった「白ニキビ」と呼ばれる「閉鎖面胞」。
毛一つは、毛穴が開いて中央が黒くなった「黒ニキビ」があります。
白ニキビも黒ニキビもどちらも、まだ炎症を起こしていません。
潰してもいいといわれる段階はこの白ニキビです。
自然に消えて治ることもあります。しかし、悪化して次の段階に進むケースも多くなります。
白ニキビはアクネ菌が皮脂を食べて活発になると赤ニキビに、さらに黄ニキビへと進行していきます。
白ニキビの段階でケアをすることで、赤ニキビへと進行することを予防できる可能性があるといわれています。
白ニキビの毛穴に詰まっているコメドを栄養源としてアクネ菌の増殖をするので、早い段階で出すことでニキビ予防ができます。
これが、潰したほうが早く良くなると言われている理由です。
ニキビを潰すタイミングは、入浴後や洗顔後の毛穴が開いている状態がベストです。清潔な状態で行うようにしましょう。ドラッグストアなどで販売されている「コメドプッシャー」を利用するのもおすすめです。
〈コメドプッシャー〉
2-2.〈第二段階⇒赤ニキビ〉
面胞(コメド)がさらに悪化した状態を丘疹(きゅうしん)といいます。
丘疹は赤ニキビともいいます。赤みがかなり強くなり、目立ちます。
丘疹(きゅうしん)は、皮脂がたまって炎症を起こし、赤ニキビとなっていますので、
ポツンと腫れた状態になっています。思春期多いニキビです。
活性酸素によって肌の酸化が進むと炎症がますます進んでいき、
肌の深部や周囲にも拡散していきます。
もうこの段階ですと潰すのはやめましょう。
2-3.〈第三段階⇒黄ニキビ〉
丘疹がさらに悪化し化膿した状態を「膿泡(のうほう)」といいます。
膿疱になると、腫れて熱をもつようになり、この段階まで進むと、ニキビ跡も残りやすくなります。
膿泡(のうほう)になると、過酸化脂質も増えます。
しかも炎症が進み、赤みも強くなっていきます。
この段階でニキビを潰すと深刻なニキビ跡を残します。
膿を持っているニキビ痕を残すこともあります。
黄ニキビの段階ではアクネ菌をやっつけるために白血球が出動して戦って毛穴の中に白い膿がたまった状態になります。ニキビの元となる細菌と戦ってくれた「白血球」の残骸です。
膿は体に悪い物ですから、はやく取り出すに越したことはありません。
しかし、無理矢理爪でぎゅっとニキビをしぼったりして、血が混じるようなことがあると、かなりの高確率でニキビ跡として残ってしまいます。
ですから、正しいやり方で膿を出すことが重要なのです。この黄ニキビの膿を上手に取り出すことで治りも早くなりますし、跡が残ることなく綺麗に元通りの肌になります。
そのまま放っておくと他の毛穴と結合して炎症が広がってしまう可能性があるため、この段階での膿ははやめに出してしまった方が良いのでした。
その際に正しい出し方で膿を出すことがとても重要で、きちんと消毒した状態で膿の出口をつくり、表面の膿だけを取り除けば、後は自然治癒力で治せます。
赤ニキビの段階ではは潰してはいけないけれど、このような化膿したニキビに限っては、むしろ潰してしまった方が良いなんてびっくりですね。
ですが黄ニキビにまで悪化してしまうようなニキビができないように、肌質を改善していくことが大切です。
2-4.〈第四段階⇒ニキビ跡〉
膿腫とは、膿泡がさらに進み、炎症がつづいて「肌がケロイド状」になった状態をいいます。
いわゆる「ニキビ痕」です。
膿腫になると、触っただけでも痛みを生じます。
皮膚の深い部分にできて、固いしこりができています。
しかもニキビ跡が残り治癒するまで時間がかかります。
膿腫まで進行してしまったなら、自己治癒はほとんど不可能です。
ここまで症状を放置しておくのはかなりの問題です。
3.傷口を早く治すには
かさぶたの上から薬を塗っても効果はありません。
自然にはがれるのを待つのが綺麗に治す方法です。でも痛んだ皮膚を早く治せば、かさぶたも早めに剥がれてくれます。それには、新陳代謝を早める必要があります。
- 良質の睡眠をとる
- 適度な運動をする
- たんぱく質を取る。
もっともお金がかからないで、しかも効果があるのが早めの寝床です。
2-1.良質の睡眠をとる
夜の10時には寝ると、肌細胞の修復が促進されるので効果があります。
ただそう言われても、なかなか早寝は慣れが必要かもしれません。睡眠導入剤などに頼るのはどうかと思いますが・・
寝るために適している時間帯とは、夜の10時からの4時間です。
なぜならこの時間帯に新陳代謝を高める成長ホルモンが生成されるからです。
ですから、睡眠時間が短くても大丈夫という場合でも、たくさんの睡眠時間が必要という場合でも、できるだけこの成長ホルモンが生成される時間帯に眠るのが新陳代謝の向上には役に立つといえます。
新陳代謝を向上させるには生活の規則正しさと睡眠時間が関係しています。
睡眠は、寝る時間をある程度決めていると、体がそのサイクルに慣れるため、リズムがつかみやすくなります。そうすると、夜になれば自然と眠くなるサイクルが出来上がり、十分な睡眠がとりやすくなるでしょう。睡眠時間を確保して新陳代謝をあげましょう。
2-2.適度な運動をする
新陳代謝を上げるためには運動も不可欠です。
運動には有酸素運動と無酸素運動があります。どちらもバランスよく行うことが理想です。
運動する時間としては、有酸素運動は20分以上、無酸素運動は徐々に負荷を大きくして行うのが良いでしょう。
有酸素運動とは、ヨガやジョギングなどがあります。呼吸を止めない運動のことをいいます。ライフスタイルにあった、楽しく取り組めるもの、長く続けられるものがおススメです。あまり無理をせず自分のできる範囲で始めていきましょう。
筋トレなどで行うことのできる無酸素運動も初めから多すぎる負荷をかけるのではなく、自分の状態に応じて少しずつ行っていくことをおススメします。
運動を習慣にすると、体温が上がり、基礎代謝が増え、水分代謝も正常に行われるようになります。
そのため新陳代謝が上がり、健康な体を作っていくことができるようになるのです。
3-3.たんぱく質をとる
たんぱく質といえば、ヘルシーな鶏のささみや、お豆腐、高野豆腐などで良いので安上がりなうえ、ダイエット効果も期待できるので、一石二鳥です!
〈皮膚が早く治る食べ物〉
怪我の再生にいい食べ物を集めてみました。
⇒亜鉛を多く含むもの
細胞(皮膚も含めます)の再生をよくします。新しい細胞を作る司令塔の役目をします。
また、皮膚のケラチン組織を作り、皮膚を丈夫にします。
牡蠣、あさり、たらばがに、そら豆、ごま、豚レバー、牛もも肉、卵、アーモンド、チーズ、
大豆、高野豆腐、するめ、とうもろこし、玄米(牡蠣は亜鉛の量が多いので5つくらいにしてください)
亜鉛は、クエン酸・ビタミンCと一緒にとると吸収率が格段に上がります。
⇒クエン酸の多い食べ物
レモンなどの柑橘類・梅干し・キウイフルーツ・桃・パイナップル・イチゴ・
メロン・西洋梨など
⇒ビタミンB群―ビタミンB2、B6、B12、ナイアシンを多く含むもの
皮膚や粘膜が炎症などを起こしている場合、ビタミンB群が皮膚や粘膜を
健康にする働きがあります。
ビタミンB2→レバー・鶏卵・納豆・チーズ・ごま
ビタミンB6→レバー・バナナ・赤ピーマン・さけ
ビタミンB12→レバー・牡蠣・すじこ・のり
ナイアシン→レバー・たらこ・さば・いわし・落花生
⇒ビタミンAを多く含むもの
ビタミンAが不足していると、皮膚や粘膜が傷つきやすくなります。
レバー、牛乳、小魚類、のり、うなぎ、にんじん、
マンゴー、ほうれん草、トマト、かぼちゃ
(レバーはビタミンAが多いのでほどほどに摂られてください)
⇒ビタミンEを多く含むもの
ビタミンEが不足すると、粘膜に過酸化脂質ができて、細胞が壊れやすい状態になります
ビタミンEをとり、過酸化脂質ができないようにした方が傷に良いです。
また、ビタミンEをとると細胞の再生が早くなります。
アーモンド・落花生・小麦胚芽・かぼちゃ・ほうれん草・アボガド・すじこ・たらこ・
キウイフルーツ・モロヘイヤ
⇒ビタミンCを多く含むもの
皮膚、粘膜が緻密になり、傷がより早く、より完全に治ります。
キウイフルーツ、いちご、グレープフルーツ、トマト、ピーマン、レモン、みかん、
ブロッコリー、カリフラワー、じゃがいも、ほうれん草
⇒アミノ酸を多く含むもの
皮膚の大部分を作るのはアミノ酸です。体内でタンパク質は分解され、アミノ酸になります。
タンパク質(アミノ酸)→肉類、乳製品、大豆製品、魚
⇒コラーゲンを多く含むもの
鳥の手羽先や、ゼラチンを利用した食品、ゼリーなど
⇒ココア
病原菌をおさえ、傷の治癒にも効果的。
毎日ココアを飲んでいる重症患者さんには傷の治りが早くなることが確かめられています。
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