つまり、糖尿病の予防に良く、食後の血糖値の上昇抑制、体脂肪の抑制などにもつながってきます。また、この成分は桑の葉特有だとも言われ、他の野菜には含まれていないと考えられています。
3.2 整腸作用による便秘解消
桑の葉の食物繊維は、豊富とされている緑茶の約5倍近くあります。不溶性繊維が45%、可溶性繊維が8%を占めるとされ、ゴボウやゼンマイにも匹敵しております。食物繊維が豊富であることは、便秘解消と同時に、腸内環境を改善し腸内細菌を減らし、整腸作用に役立つことを表しています。
桑の葉には腸内有用細菌には影響をあたえないまま、有害細菌の繁殖を抑える働きがあるという研究がなされてきているほどです。最近では、腸の働きとアトピーとの関連なども指摘されてきており、今後より一層重宝されていくことが予想されます。
3.3 抗酸化作用によるコレステロールや中性脂肪を下げる
最近の研究で、桑の葉にはコレステロールや中性脂肪の抑制効果があることが分かってきています。 その抑制効果の元となっている成分である”ケルセチン配糖体”が玉ねぎの約3倍以上含まれていると考えられています。
この成分は、コレステロールの生成を阻害する効果を持ち、血液と肝臓中の中性脂肪のβ酸化を促進する作用のあることが分かっており、動物や人での試験において明らかにされてきています。難しい言葉を言われても専門家でもないとピンとこないでしょうが、このおかげで肥満などを解決したり、高血圧などの予防なども考えられますので、今後、より一層、その効果が解明されていくことが期待されます。
3.4 美肌効果やアンチエイジング
桑の葉の成分には、食後の血糖値上昇抑制効果があると言いましたが、食後、血糖値が高い状態が長時間保持されると、通常は起こりにくい血管内膜のコラーゲンの糖化が起こります。
難しい言葉なので簡単にいうと、糖化とはタンパク質と還元糖が反応して起こるメイラード反応のことで、これまた複雑な反応なのですが、何段階もの反応工程を経て共通の物質に変化し、身体の様々な組織の老化を促すことにつながります。
皮膚や血管の若さを保ち、コラーゲンの老化を防ぐためには、血糖値を高濃度で長時間持続させないことが最も有効な手段と現在では言われており、桑の葉はその効果があるので美肌効果やアンチエイジングに良いと考えられます。
3.5 二日酔いの予防効果
桑の葉には、ビタミンC、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンA、亜鉛、鉄分、ギャバ、マグネシウム、カルシウム、カロテン、γアミノ酪酸など、数多くの栄養素が豊富に含まれています。
そのため、肝臓の機能を向上させ、アルコールの解毒作用をスムーズにしてくれ、二日酔いの防止に効果があると言われています。
4.桑の葉を支える有効成分はコレだ!
4.1 カリウムで水分代謝
桑の葉に含まれているカリウムは、体内の水分代謝を良くし、老廃物やとり過ぎた塩分の体外排出を促してくれます。高血圧改善、ダイエット効果、デトックス効果、むくみ解消などが期待されます。
血圧が常に高い状態でいると、腎臓が上手く機能できにくくなり、ナトリウムの排出が難しくなり、血圧が上がる悪循環を繰り返しますので、桑の葉を摂取して、上手に排出してくれる栄養素であるカリウムを摂りましょう。
4.2 クロロフィルによる浄化作用
クロロフィルは緑の血液と呼ばれ、特に体の内側の浄化やお肌などの美容に効果的で、特に腸内の浄化作用が強いのです。さらに強い抗酸化作用、血液サラサラ、がんの予防、貧血の予防・改善、解毒作用、コレステロールの減少などのいろいろな効果が期待できます。
4.3 DNJによる血糖値のコントロール
桑の葉にはDNJ(正式名称1-デオキシノジリマイシン)という成分があり、血糖値を下げたり、抑制するといった働きを行なってくれ、桑の葉の隠れた主役成分です。DNJはぶどう糖と非常によく似た構造をしているため、食前に桑の葉を取り入れることで食事をしても食材に含まれているぶどう糖をゆるやかに吸収し、余分な糖分はそのまま体外に排出できるという仕組みを持っています。
その結果、急激な血糖値上昇をゆるやかですが抑制する効果があります。そして余計な糖分を排出してくれるというのはダイエットにも効果があるということにつながり現在注目されている成分です。
ダイエットに関しても急激な減量というものは身体にあらゆる弊害をもたらしますので、この成分を少しずつ継続して摂り、ゆっくりとゆるやかな体重減少にする事で、健康を損ねることなくダイエットも可能だと考えられはじめています。
4.4 イライラ防止のカルシウム
桑の葉は、カルシウムも豊富です。なんと牛乳の約24倍、鉄分は納豆の約15倍含んでいます。骨粗鬆症の予防、高血圧改善、動脈硬化の予防、イライラの解消、女性ホルモンバランス調整などの効果が期待できると言われています。
日本人が不足しがちといわれるカルシウムは吸収率の悪い栄養素だとも言われています。意識的にカルシウムの多い食品を選ばないと知らず知らずのうちに不足してしまうのです。カルシウムは、骨と歯を形成する以外にも重要な役割を担っているのでしっかりと補充しましょう。
4.5 フラボノイドで抗酸化作用
フラボノイドはポリフェノールの一種であり、当然、ポリフェノール特有の抗酸化作用を促してくれ、まさにアンチエイジングに最適な栄養素です。このフラボノイドにはルチンも含まれていて、高血圧や動脈硬化などの生活習慣病の予防に効果があるのです。
また、その他にもフラボノイドには肝機能を向上させ、二日酔いや胃のムカつきを抑えてくれる作用があったりといろいろ注目な成分と言われています。
4.6 GABAでぐっすり睡眠
桑の葉には最近注目されてきているGABAも入っています。天然アミノ酸のひとつで正式名称をγ-アミノ酸(Gamma Amino Butyric Acid)と表します。脳内で、特に睡眠中の深い眠りの時に多く生成されると考えられています。
GABAは抑制性の神経伝達物質ですので、不足するとイライラしたり、興奮してしまったり、睡眠障害やうつなどの症状も現れていくので摂取することがリラックスした生活には必要不可欠です。
その他にも、健康的な効果もあり、血圧を下げる、肝・腎機能の働きを高めたり、中性脂肪を抑えるなど、フラボノイド同様に生活習慣病予防にも効果を発揮する栄養素だと考えられ、いろいろな研究が絶えず行われています。
4.7 亜鉛は、体にいいの?
桑の葉には亜鉛も多く含んでいます。意外と知られていませんが、体内に亜鉛が不足するとまず、味覚に障害が起きるのです。その後、毛髪にも影響がでてきます。亜鉛にはカルシウムの吸収をよくする働きがありますので、亜鉛が不足するとカルシウムをうまく吸収することができなく、カルシウム不足と同じ症状になります。
また、亜鉛不足になると赤血球も不足していくことになりますので、貧血症状も起きてしまいます。特に貧血気味の女性は気をつける必要があります。しかし過剰な摂取は、それはそれで中毒症状を引き起こします。
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