難治性ニキビ治療の最後の砦！イソトレチノインの長所と短所は？

5　未承認薬をどうやって手に入れたらいいの？医師の処方がないと個人輸入も禁止

出典 |　PIXABAY　

イソトレチノインは日本では未承認の薬です。未承認というのは「飲んではいけない」ということではなく「保険適用外の医薬品であり」「日本での販売は禁止」ということです。ですので、個人の意思として飲むことまでは禁止されていません。そういう意味で法律で禁止されている麻薬などとは違います。

しかし、そういう薬なので、基本的にイソトレチノインは手に入れることができません。しかし、2つだけ方法があります。

5-1　イソトレチノインを処方してくれる皮膚科医を探す

医師は、自分がよいと思った薬を海外から個人輸入して、それを患者に処方することができます。しかし、ほとんどの一般の皮膚科では非常に処方するほうにもリスクがあるので基本的に扱っていません。したがって、イソトレチノインを処方してくれる皮膚科医を探し出して受診し、イソトレチノインの処方を頼むというのが1つの方法です。

また、保険適用外ということは、美容整形のレーザー治療などと同じ「自由診療」なので、健康保険の3割負担ではなく、全額自己負担になります。

その時のだいたいの診察と処方の費用は、以下のようになります。

初診料　3000円
再診料　1000円
血液検査料　1500円（必要に応じて）
イソトレチノインの費用　6000円～18000円／1か月分

ですから、最低でも月7000～8000円、多い場合は20000円程度の支出になります。自由診療ということは「診察代も薬代も医師が自分で決められる」ということなので、受診する皮膚科医によって費用はかなり変わってくるのです。

しかしこれがイソトレチノインをどうしても使いたい、という場合に1番「まっとうで」「安全な」方法です。

5-2　自己責任で海外通販から個人輸入するという方法も

皮膚科を受診してイソトレチノインを処方してもらう費用がない、何らかの理由で皮膚科に行きたくない、あるいは1度処方されているので自分で飲み方はわかる、という人は、厳密には「非合法」ですが、海外通販で売っているイソトレチノインを個人輸入で手に入れる方法もあります。

ただし、その安全性の問題から、アメリカの厚生労働省である米国食品医薬品局（FDA）では、インターネットや個人輸入により入手することのないよう、注意喚起を行っています。また個人輸入で手に入れて服用した場合には、医療事故があっても補償がない、輸入するイソトレチノインの品質の保証がない、医師に適切な指示をもらえない、という大きなリスクがあります。したがってもしも個人輸入するのであればすべて自己責任においてするしかないということを、よく理解しておいてください。

5-3　個人輸入の場合の薬品名と大まかな値段

イソトレチノインを個人輸入する場合には、イソトレチノインという名称では販売していません。正規品は「アキュテイン（ACCUTANE）」または「ロアキュテイン（ROACCUTANE）」という名前で販売されており、容量は10mg、20mg、40mgの3種類があります。

またイソトレチノインにはジェネリック品もあります。ジェネリック品とは、特許期間の終わった医薬品を、後発メーカーが全く同じ成分で販売するもので、基本的には同じ薬効でありながら、開発費用がないので正規品に比べてかなり販売価格が安くなっているものです。しかし、きちんとした製薬メーカーが製造している場合と、たとえばインドにあるような怪しいメーカーが製造している偽薬がありますので、注意が必要です。

一応、イソトレチノインのジェネリック品についても、その商品名を挙げておきますが、その品質に関しては未確認です。

ソトレット（SOTRET）、アムネスティーム（AMNESTEEM）、クララビス（CLARAVIS）、イソトロイン（ISOTROIN）、アクノティン（ACNOTIN）

ただ、ジェネリック品は先に書いたようにかなりやすく購入できるというメリットはあります。たとえば、トレティヴァ という名前のジェネリック品は10mgで1錠135円、20mgで180円、40mgで360円です。これですと、1番少ない服用量の30mgを1か月服用した場合、9450円ですので、場合によっては皮膚科医の処方よりもかなり安い費用でイソトレチノインが使えます。

しかし、何度も書きますが、基本は自己責任で判断してください。