ただ腹直筋を鍛えたから割れるのではなく、腹直筋は「もともと」割れているのです。それが見えない人の場合は、腹直筋の上に脂肪が付いていて、それが覆っているだけです。したがって、その脂肪を落とせば誰でも割れた腹筋を手に入れることができます。
1-2 外腹斜筋は腹直筋の働きをサポートする
外腹斜筋は、肋骨の外側からおへそのあたりに向かって斜めつながっている筋肉です。腹直筋の両横にあるとも言えます。働きは、身体を横に曲げたりひねったりするときに、腹直筋をサポートすることです。
腹直筋の上の脂肪を落とせばお腹は6つに割れると書きましたが、合わせてこの外腹斜筋と、次に説明する内腹斜筋を覆う脂肪も落とすと完璧になります。
1-3 内腹斜筋も腹直筋のサポートが働き
内腹斜筋は、骨盤から肋骨に斜めにつながっている筋肉です。外腹斜筋のたすき掛けのような形で外腹斜筋の下にあります。働きは、外腹斜筋と同じく、身体を横に曲げるときやねじるときに、腹直筋をサポートすることです。
1-4 腹横筋は腹圧を調整し呼吸を助ける働き
腹横筋は、腹壁の外側にあり、内腹斜筋のさらに深い個所にある筋肉です。働きは、お腹が膨らみすぎたりへこんだりしないように腹圧を調整し、さらに呼吸をするときに肺に合わせて動いてそれを助けるという、生命維持の上でも重要なことをしています。
また腹横筋はコルセットのようにお腹を引き締めるので、ここを鍛えるとポッコリお腹が解消し、ウエストがくびれてきます。さらに骨盤の安定にもつながるので、腰痛を持っている場合は改善につながります。
2 腹筋を鍛えるとカロリーがどれだけ減るの？腹筋トレのダイエット効果
それでは、次にそれらの4つの腹筋を鍛えることが、どのようにダイエットに効果があるのか、ということを説明します。
2-1 腹筋トレ―ニングは無酸素運動。無酸素運動とは？
無酸素運動は、取り込んだ酸素を使って糖質や体脂肪を燃やしてエネルギーを得る有酸素運動に対して、酸素を使わず糖質だけからエネルギーを生みだす運動のことです。短時間の瞬発的な運動なので、酸素を使って脂肪を燃やして、という作用が間に合わず、筋肉にある糖質、つまりグリコーゲンがエネルギーとして使われるのです。
短距離走や腹筋トレを含めたすべての筋トレがこれにあたります。運動するときに「息を止めて行う」ものと言ってもいいでしょう。
2-2 なぜ腹トレをするとカロリーが減るの？
2-2-1 すべてのダイエットに共通する痩せるための基本公式とは？
人が太る原因は簡単です。生きたり、運動したりすることによって使われる「消費カロリー」より、食事などで身体に取り込む「摂取カロリー」の方が多いからです。つまり使ったカロリーより、食べたカロリーが多いと太るという、非常に簡単な公式です。
逆にいえば
消費カロリー＞摂取カロリー
であれば、痩せるということです。まずこのダイエットの基本的な公式を理解しましょう。
2-2-2 消費カロリーとは何を指す？
摂取カロリーは要は食べた食事によるカロリーなのでわかりやすいですが、消費カロリーはそれに比べて少し複雑です。と言っても、その内容が2つに分かれるだけです。その2つとは「基礎代謝」と「運動代謝」です。
基礎代謝とは、生きているだけで消費しているカロリーでありエネルギーのことです。寝ていても、じっとしてるだけでも、肺、心臓、胃腸、脳などは動き、血液は身体を循環し、それらの活動のためにエネルギーが使われています。この生命維持のために消費しているものを基礎代謝と言うのです。男性の、基礎代謝が多い人で1日1800kal程度、中高年の女性で1200kcal程度です。
これに対して、運動代謝はその名の通り運動をすることによって使われるカロリーでありエネルギーです。水泳をして何kcal消費した、というようなものはこの運動代謝です。
つまり、この2つを合わせたカロリーよりも少ないカロリーを摂取すれば痩せるのです。逆に言えば、その方法がいいとは言いませんが、1日たとえば500kcalくらいしか食事で㌍を摂取しなければ、何もしなくても生きているだけで痩せていきます。
2-2-3 無酸素運動の筋トレでもカロリーが消費される仕組みとは
少しダイエットについて勉強すると、「有酸素運動はダイエットに効果があるが、無酸素運動はたいして効果がない」というような話を聞くかもしれません。
この意味は、非常に大まかに言うと、有酸素運動は上で言うところの基礎代謝を増やす運動で、無酸素運動は運動代謝を増やす運動ですが、前者は非常に効率よく代謝量を上げられますが、後者は頑張った割りには代謝量が上がらないからです。たとえば、1時間頑張って水泳をしても、それによって直接消費されたカロリーはおにぎり1個分くらいですので、水泳の後お腹が減ったとおにぎりを食べたら、水泳による運動代謝分は全く「チャラ」になります。
したがって、痩せたければ有酸素運動を！ということが言われてきました。
しかし最近の研究によって無酸素運動の場合でも、脂肪燃焼効果、すなわち代謝量アップの効果が期待できることが分かってきました。その内容は、無酸素運動によって成長ホルモンの分泌が促される、というメカニズムが明らかになったということです。
それは以下のようなことです。成長ホルモンは乳酸が身体の中で発生すると分泌のスイッチが入ります。その乳酸を発生させるのは無酸素運動です。したがって、無酸素運動を行うと乳酸が発生し、それが成長ホルモンを分泌させ、その成長ホルモンが、脂肪の分解を促すのです。
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