ディフェリンは本当にニキビに効果あり？気になる副作用は？

2　ディフェリンがどうして毛穴の詰まりを改善できるの？その効果とメカニズムは？

出典 |　o-dan　

2-1　ニキビは要は毛穴が詰まっている現象

それを理解するためには、なぜニキビができるのか、ということについてもう1度確認しておく必要があります。

ニキビとはその根本原因は、思春期だったり、ホルモンバランスの乱れだったり、生活習慣だったり、皮膚の乾燥だったりとさまざまありますが、現象だけ見てみると、要は「毛穴に皮脂や古い角質が詰まってふさがった状態。あるいはその中が化膿して炎症を起こした状態」のことです。

ですので、ニキビを治す方法としては2つあって、1つは毛穴の詰まりを取り除くこと、もう1つは炎症を起こしてしまっていたらそれを鎮静させる、ということです。

ディフェリンはこのうちの前者に非常に効果があるというわけです。

2-2　ディフェリンの毛穴の詰まり改善効果は、アダパレンの作用

2-2-1　アダパレンがふさがれた毛穴を再び開く

それではなぜディフェリンがそのような作用を持っているかということですが、ディフェリンはアダパレンという化合物が有効成分として配合されています。日本で販売されているものは、これが0.1％の濃度です。

ディフェリンの効果を実現しているのは、このアダパレンと言う成分なのです。

そもそもニキビの原因である毛穴のふさがりはなぜできるかというと、毛穴に異物が入り込むのと同時に、もとは細かい顆粒細胞というものだった表皮が肥大化して角質細胞に変異し、それによって分厚くなって毛穴を覆ってしまうということです。

それに対して、アダパレンには、この顆粒細胞が角質細胞になるのを防ぐ働きがあるのです。その作用が働くと、分厚くなった角質はだんだんと薄くなり、それによってふさがれていた毛穴が再び開き、ニキビが改善に向かうわけです。

2-2-2　アダパレンには美肌効果もある？

この分厚くなった角質を薄くしていく、という作用とその物質としての構造は、美容皮膚科で主に処方するレチノイン酸という薬と非常に似ています。レチノイン酸は、その作用のほかに表皮のターンオーバーを促進し、皮脂の分泌を抑え、皮膚を活性化させるという効果があり、美容皮膚科ではニキビ治療よりはむしろ、しみやたるみなどへの治療薬として用いています。

ということは、そのレチノイン酸と構造が似ているアダパレンにも、同じような効果が期待できるということです。実際、ディフェリンを半年以上使用している女性の肌は、きめが整い、毛穴が目立たなくなっているという報告もあります。そういう意味では、ディフェリンはニキビ治療薬として厚生労働省の認可をうけているので、それ以外の効果はうたうことができませんが、実は使い続けることで、ニキビの改善だけではなく、美肌も実現するかもしれない薬だとも言えます。

2-3　ディフェリンはどのニキビにも効果あり？1番効くニキビの種類は？

ニキビには悪化のステップがあり、まず毛穴が詰まっただけの白ニキビ、詰まったものが酸化して黒くなった黒ニキビ、詰まったものが炎症を起こした赤ニキビ、炎症から膿になってしまった黄ニキビと、症状が進んでいきます。

このうち、ディフェリンが効果を発揮するのは、毛穴の詰まりが原因なのでそれを解消してやれば改善する白ニキビと黒ニキビです。また、赤ニキビの段階になっても、毛穴が開くことでそこに酸素が入り、酸素の嫌いなアクネ菌が死滅することで改善が期待できます。

つまり、ディフェリンはニキビの初期から中期くらいまでの症状に最も効果を発揮するのです。

しかし、ディフェリンは塗り薬なので、作用は皮膚の表面からになります。したがって皮膚の表面近くの毛穴が詰まっている白ニキビや黒ニキビには効果がありますが、すでに化膿した黄ニキビや皮膚の深い場所にできてしまったニキビには、ディフェリンのゲルは届かないので効果はありません。

逆にそのようなニキビに使用してしまうと、ディフェリンのアダパレンは非常に強い薬なので、ニキビに届く前にその間にある皮膚の構造に影響を与え、皮膚だけを炎症させてしまうこともあります。その結果肌は赤く腫れ続けるという副作用が発症します。

ですので、ディフェリンを使う際は、自分のニキビがどういう種類の、どの段階のものかをよく見極める必要があります。