皮膚科の初診料の相場は?内訳は?そんな疑問に徹底解説!

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ニキビなどができて市販の薬では治らない、あるいは軽症でも病院に行ったほうがいいというアドバイスをされた、という時に皮膚科を受診しますが、初診料がどれくらいかかるのか不安ではありませんか?

多くの病院は支払いにクレジットカードは使えませんので現金を用意しなければなりませんし、またそもそもあまり高額なら皮膚科にかかるのも躊躇してしまうでしょう。

そこでここでは、皮膚科に初診で行った場合には初診料はいくらくらいかかるのか、そしてそもそもそれはどういう計算で請求されているのか、といったことについて解説します。

目次

1 実はこうなっている!保険診療の計算方法
1-1 医師や薬局の保険による収入は全国一律
1-1-1 保険診療と自由診療の違い
1-1-2 薬価=保険診療収入を決めたのが「診療報酬制度」
1-1-3 診療報酬は3種類に分かれている
1-2 診療、調剤の費用を決める基本計算式とは?
1-2-1 病院にかかった場合の費用はこういう内訳
1-2-2 処方薬を出してもらった場合の費用はこういう内訳
1-3 診療、調剤に関わる費用は点数×10円
1-4 病院に払う実際の初診料は治療内容による
1-5 費用の内訳は「診療明細書」を見ればわかる

2 実例解説!ある皮膚科初診料の場合
2-1 kleen5656さんが払った初診料の内訳
2-2 徹底解説【診療報酬編】
2-3 徹底解説【調剤報酬編】

3 口コミ検索!実際に人はいくら初診料で払っているの?

まとめ

1 実はこうなっている!保険診療の計算方法

出典 | o-dan 

まず最初に、そもそも「保険で支払う」とはどういうことで、そしてそれがどのような計算で請求されるものなのかを解説します。

1-1 医師や薬局の保険による収入は全国一律

1-1-1 保険診療と自由診療の違い

まず日本という国の医療制度についての概略の説明です。

まず1つは日本は「国民皆保険」という制度をとっています。これは「国民全員が健康保険制度に加入しなければならない」ということです。そのために「健康保険法」という法律を定め、簡単に言うとその中で「日本人が病気になったり、ケガをしたときには国が保険という形で一部の費用を補助します。それによって国民の生活が安定するようにします」としています。

もう1つは、病院が行う医療行為、そしてそこで出す薬の中で、国が保険という形で補助するものを選択して、決めています。その中でそれに該当する医療費や薬代は、「薬価」として定められています。この「国が補助する医療行為と薬」で行うものを「保険診療」といい、それ以外を「自由診療」と言います。

簡単に言うと、国が補助してくれる診察と薬は保険診療、それ以外は自由診療で補助がない、ということです。そして、その補助が一般的には、医療費の7割であり、逆算すると自分で払う分が3割なので、「自己負担3割」ということをいつも言うわけです。

たとえば皮膚科に行って、保険適用の薬を出してもらったらそれについては国の補助があるので3割の負担だけで済み、国が保険診療だと認めていないレーザー治療などをした場合は、自由診療として補助がなく全額自己負担になるのです。(ただし、現在の法律では、保険診療と自由診療を一緒にする場合は、保険が適用されず、本来保険での補助があるはずの診療内容や薬に関しても自由診療扱いとして、全額自己負担になります)

1-1-2 薬価=保険診療収入を決めたのが「診療報酬制度」

では誰がその薬価、つまり病院で保険診療としてかかった時の費用や、保険適用として出される薬の代金を決めるかというと、それは厚生労働大臣の諮問機関である「中央社会保険医療協議会」という組織です。そして、その制度を「診療報酬制度」といいます。この組織が2年に1回の割合で、その金額を見直しています。

この診療報酬が、一般的な病院やクリニック、あるいは薬局の収入になるというのが基本です。ただし美容皮膚科などの、自由診療を主に行っている病院の場合は、この収入はほとんどありません。また患者側からみれば、この診療報酬が医療費の自己負担の計算のベースになります。

1-1-3 診療報酬は3種類に分かれている

少し難しい話ですが、もう少しお付き合いください。この診療報酬は、3種類に分けられます。

それは、医科、歯科、調剤です。つまり、通常の病院で行う医療行為について決めたもの、歯医者が行う医療行為に関して決めたもの、保険適用の薬を調合して販売することに関して決めたもの、です。

この内容は、合計で4000種類の項目があります。たとえば、医科の初診料や入院基本料、検査料、あるいは歯科の初診料や検査料等などです。

1-2 診療、調剤の費用を決める基本計算式とは?

では、制度の概要をわかっていただいたうえで、もう少し詳しく、どのように診療や調剤の費用が決めるのかを見ていきます。

1-2-1 病院にかかった場合の費用はこういう内訳

病院でかかる費用を診療報酬といいますが、その内訳は以下の通りです。

診療報酬=基本診療料+特掲診療料+加算料

基本診療料とは、初診料、再診料、入院基本料です。これは医師に「診察してもらっただけで」発生する費用です。

特掲診療料とは、検査、投薬、注射、点滴、処置、手術、麻酔です。これは、医師が、あるいは看護師が患者に対して何らかの治療や検査を行ったときに発生する費用です。1つ1つに発生するので、たとえば、検査をしてもらって、薬を出してもらって、注射もしたら、検査費用+投薬費用+注射費用、の合計になります。

加算とは、時間外診療や休日診療、6歳未満の初診や再診の場合にプラスされる金額です。

ですので、一般的に初診料がいくらかかったなどと言いますが、実は、それは「初診料+特掲診療料+加算」の合計金額のことを言っているのです。

1-2-2 処方薬を出してもらった場合の費用はこういう内訳

上での「投薬」は「医師がこの患者にはこの薬を出そう」という判断をした分に関する費用ですが、その判断をもとに実際に棚に並んでいる薬を選び出し、場合によってはいくつかを混ぜ合わせて1つの薬にし、そして使い方の説明をして患者に渡す、という行為に関しても、別途費用が発生します。それを「調剤保険料」といい、その計算式は以下の通りです。

調剤報酬 = 調剤技術料 + 薬学管理料 + 薬剤料 (+医療材料)

実は薬を処方して出してもらうだけで、これだけの費用が加算されているのです。その内訳の主なものを簡単に説明すると、調剤技術料とは「薬剤師が処方箋に書いてある指示通りに処方薬を調剤、調合する作業の作業料」です。

薬剤管理料とは「薬剤師が患者に薬の使い方、飲み方を指導した場合の料金」です。

薬剤料はそのまま薬の料金です。

病院に行った時に、帰る際に受付で薬をもらうことがありませんか?あれは病院内に薬の在庫があり、薬剤師がそこから調剤して出してくるもので「院内処方」と言います。この時には、この調剤報酬はその病院に入ります。

これに対して、病院で処方箋だけもらって、それを持って調剤薬局に行って薬を購入する場合もあります。これを「院外処方」と言って、この時には調剤報酬はその調剤薬局の収入になります。

1-3 診療、調剤に関わる費用は点数×10円

さて、以上のような内訳で、診療報酬、調剤報酬が計算されるわけですが、処方箋と一緒にもらう「診療明細書」というものに「基本診療料何点、特掲診療料何点」と「点数表示」がされています。これはいったいどういうことでしょうか?

実は、冒頭で書いた「診療報酬制度」に沿って、診療報酬が決められ、それが「診療報酬点表」という形で病院や調剤薬局に示されています。そこでは、1つ1つの診療内容について、点数制でその代金を決めています。そして、その点数を「円」に換算する場合には、

1点=10円

で計算するのです。したがって、領収証や診療明細書で、たとえば合計450点の場合は、診療報酬は450点×10円=4500円になります。ただし、保険診療なので、患者が払う金額はさらにそこに対して、4500円×3割=1500円、となって、結果として1500円が病院代だった、と思って帰るわけです。

調剤の場合も同様です。

1-4 病院に払う実際の初診料は治療内容による

さて、ここまでが概要で、いよいよ初診料の計算です。

先に書いたように、私たちが普段口にしている「初診料」とは、実は「初診料+特掲診療料+加算」の合計で、もう少し正確にいうとそのうちの自己負担の3割分のことです。少し紛らわしいですが、このうちの「狭いほう」の意味での「初診料」は平成18年度の現時点では270点とされています。つまり、270点×10円=2700円です。

しかし、診察だけで済めば自己負担は、2700円×3割になりますが、通常はここに治療が入り、投薬(処方)が入り、ということなので、ここに特掲診療料などが加算されます。

したがって、患者の状態や医師の考えによって治療内容が異なるので、同じ初診で皮膚科に行っても、人によって、病院によって、「広い意味」での初診料が変わってくるのです。

1-5 費用の内訳は「診療明細書」を見ればわかる

このようなある意味非常に面倒くさい計算は、どの病院も「診療明細書」というものを発行してきちんと示さなければいけないと決められています。多くの人は、処方箋と領収証の最後の金額は見ますが、その内訳までは見ていないでしょう。しかし、この診療明細書を見れば、どうしてこの金額になっているのか、ということは明確にわかるのです。

さらに、少し余計な話ですが、「あの病院はすぐに必要のない検査をしたがる」などの口コミを聞いたりしますが、非常に悪い見方で言うと、検査をすると診療点数が増えるので、病院の収入が増えます。つまり病院の「収入稼ぎ」のために、不要な検査を行っているというケースもあるということで、このあたりはニュースを見ていると時々問題になったりしています。


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