一見、食べた物をすべて吸収すると、かえって太ってしまうように感じると思いますが、実はその逆なのです。消化が良くなると、食べた物の栄養を無駄なく吸収できるようになり、少量でも満腹感が出て来るので、食べ過ぎを防ぐことができるのです。
また、腸には小腸と大腸があるのはご存知だと思いますが、この小腸の長さは6~7mあり、大腸以上に重要な働きがあります。小腸の役割りは、食べた物の栄養分を吸収する働きです。
小腸に住んでいる細菌は大腸とは違う種類で、ガゼリ菌や内脂肪を減らす善玉菌などがいます。小腸がしっかり働けば、栄養分を充分に吸収できるので、ヨーグルトやサプリメントでガゼリ菌を補給して、小腸の環境をしっかり整えることが重要です。
・美肌
肌のトラブルの多くは、実は「腸内環境」の乱れからきています。「腸内環境」のメカニズムを知って整えれば、肌のトラブルを防ぐことが出来ます。
やはり、肌のトラブルは女性にとって最大の悩みです。ある調査によると、「日本女性の9割は乾燥肌」だと言われています。つまり、男性も含め、3人に1人は肌のトラブルを抱えているのです。肌のがさがさ、ぶつぶつ、べったりは、スキンケアである程度解消できますが、外からのお手入れだけでは不十分。「腸内環境」もしっかり整えることも大切です。
こうした肌トラブルで悩んでいる人の多くは、便秘の症状もあり、悪玉菌が増殖して有害なガスを発生します。このガスが腸壁を通して吸収されて全身に行きわたるため、お肌に悪い影響を与えるのです。「腸内環境」が整うと、老廃物や毒素もなくなるので肌トラブルを解消できる訳です。
・免疫力
前述の通り、腸内には多くの免疫細胞がいます。「腸内環境」が乱れると免疫細胞の働きも悪くなり、免疫力も低下します。
健康な人と病気になりやすい人の差は、免疫力にあります。免疫細胞の6~7割は腸内にいますので、善玉菌を増やして「腸内環境」を整えることが免疫力をアップする秘訣です。
すぐに体調が悪くなって病気ばかりしている人もいれば、風邪一つひかずにいつも元気な人もいます。こうした違いは、免疫力=抵抗力の差からきていて、免疫力の許容範囲がどこまで広いかによって変わってくるのです。
当然、許容範囲が大きければ大きいほど、免疫力は高くなり、病気になりにくい体になります。逆に許容範囲が狭ければ、免疫力が低くなり、疲れやすく病気になりやすい体になります。
免疫力は、免疫細胞(白血球)の働きに支えられています。免疫細胞は血液の中に含まれる細胞です。免疫細胞の6~7割は腸の中に集中していて、ウィルスや細菌が外から入ってくると、病原体を攻撃して侵入を防いでくれます。免疫力を高める要は、腸内の免疫細胞を活性化させることと言えます。
・便秘
前項で詳述しましたが、改めて「効果」として上げたいと思います。特に女性に便秘が多いのは、「腸内環境」の乱れや女性ホルモンが影響しているからです。「腸内環境」を改善し、すっきりお腹をサポートしましょう。
・花粉症
花粉症はアレルギー体質であることが大きな原因となりますが、実は腸年齢の高齢化も影響しているのです。「腸内環境」を改善し、腸年齢を若返らせると、花粉症にも効果を現します。
腸の老化は食事に大きく左右されるので、花粉症を緩和するには食生活の見直しも必要です。ところでそもそも、花粉症はなぜ起きるのでしょうか。
春になるとやってくる、くしゃみ、鼻水、目のかゆみ。毎年、花粉症に悩まされる人は多いと思います。こうした症状が起きるのは、体内の免疫システムが暴走するためなのです。
スギ花粉などが体内に入ると、免疫細胞は敵とみなして、猛攻撃を始めます。そのとき、かゆみや炎症を起こす物質も放出するため、目や鼻に辛い症状が現れのです。
腸内には免疫細胞の60~70%が集中していて、健康な状態の時は、細菌やウィルスが腸内に侵入しないようにブロックしています。ところが、便秘や下痢が続くと悪玉菌や有害物質が増えて、腸の機能が老化して免疫力が低下します。そのため花粉症がひどくなるのです。
花粉症の症状を緩和するには、免疫力を高めて免疫システムを正常に戻すこと。善玉菌を増やして腸を若返らせることが一番の対策です。
・おなら
おならの臭いで「腸内環境」の状態を知ることができます。さらにおならで、隠されている大きな病気を知ることも出来きます。「腸内環境」の改善で、悪臭が緩和されることにも繋がります。
おならは健康のバロメーターで、臭いで「腸内環境」を探ることができます。何日もキツイ臭いが続く場合は、大きな病気が潜んでいる場合もあります。
ところでなぜ、おならが出るのでしょうか。
ぷーっという音と一緒にいやな臭いのするおなら。自分の臭いはまだ我慢できるのに、他の人がおならをすると、思わず鼻をつまみたくなります。おならが出るのは、腸内で発生したメタンやアンモニアなどのガスを、体の外に排泄するためです。このガスがおならの主成分なので、いやな臭いがするんです。
おならには、いいおならと悪いおならがあります。いいおならの成分は、炭水化物を分解してできる二酸化炭素などで、あまり臭くありません。
一方、悪いおならはタンパク質を分解して発生するアンモニアなどのガスなので、いやな臭いがします。この時、善玉菌は炭水化物、悪玉菌はタンパク質と、役割り分担が決まっています。だから、いやな臭いのするおならは、悪玉菌が多い状態なのです。
・アトピー
アトピーの原因は食生活やストレスですが、最近の研究では「腸内環境」が影響していることが明らかになってきました。
アトピー抑制に乳酸菌が注目されていますが、なぜ効果があるのでしょうか。アトピー性皮膚炎を含むアレルギー症状の発症には、免疫機能が大きく関わっています。もともと人間のからだには免疫機能が備わっていて、ウィルスや細菌が侵入してくると免疫細胞が総攻撃を加えてブロックしてくれます。
この時、再侵入に備えて抗体を作りますが、免疫細胞が誤動作を起こすと過剰生産してしまいます。また、アレルギーに関係する免疫細胞のバランスも崩れるため、アレルギー症状を引き起こすと言われています。
アトピー体質の人の腸内は、悪玉菌が天下を握り、毒素や有毒ガスが発生しています。腸は毒素まで吸収してしまうので、それが全身を巡ってアトピー症状が現れます。また、「腸内環境」が乱れると、腸内にいる免疫細胞がパワーダウンして免疫力が低下します。こうしたことが重なり、アトピーを引き起こすのです。
・ストレス
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