ニキビ治療にはサリチル酸が効果あり？その理由と使い方は？

1　サリチル酸とはどういうもの？

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1-1　サリチル酸とはヤナギの木に含まれる医薬品成分

サリチル酸はもともとヤナギの木から発見されたものなので、そのヤナギのラテン語「サリシン」から命名された成分です。最初は、解熱作用や鎮痛作用があるという効果を重宝されて、病気の時やケガをしたときに使われていました。その歴史は古く、今から2500年前の紀元前400年ころのギリシャの科学者であるヒポクラテスの書物の中でも、その効果とともに紹介されています。日本でも、「歯が痛い時にはヤナギ楊枝で歯を磨けばよい」と言われていました。

そのように長らく「民間医療」的に用いられていたサリチル酸でしたが、19世紀に入ってから改めて科学的に解熱成分が含まれているということが解明され、その結果いろいろな鎮痛薬や解熱薬に配合されるようになりました。サリチル酸配合でよく耳にする医薬品には「バファリン」や「アスピリン」などがあります。

このように書くといかにも特別な成分のような印象もありますが、よく調べてみるといろいろな植物や、あるいは食べ物にまで含まれている、非常に安全な物質です。たとえば、トマト、アーモンド、レーズン、お茶などにこのサリチル酸は含まれています。

1-2　サリチル酸はなぜ化粧品に配合されるの？その効果は？

本来その解熱作用と鎮痛作用を重宝されて医薬品に用いられてきたサリチル酸ですが、それがなぜ化粧品や美容製品に配合されるようになったのでしょうか。それはサリチル酸に以下のような効果があるとわかったからです。

1-2-1　角質を柔らかくする働き

研究するうちにサリチル酸には、皮膚の表面の角質をやわらかくする作用があるということがわかりました。そのために皮膚科では、角質が硬くなってしまったイボやかかとの角化の治療などに使われるようになりました。

さらにこの効果を用いて、美容皮膚科ではこれをケミカルピーリングに使用しています。ケミカルピーリングとは古い角質を溶かしてはがし、それによって肌の新陳代謝であるターンオーバーを正常にさせる治療方法です。

1-2-2　抗菌効果、殺菌効果の働き

サリチル酸には、ばい菌や雑菌を殺す効果があります。ですので、最初に化粧品に用いられたのは「防腐剤」としてでした。しかし、その抗菌効果、殺菌効果が皮膚のアクネ菌の繁殖を防ぐことにも使えるため、その目的で化粧品に配合されているようにもなりました。