ビブラマイシンは重症ニキビの特効薬！効果効能、副作用を徹底解説！

1　ビブラマイシンは経口タイプの抗生物質

出典 |　pixabay　

まず最初にビブラマイシンとはどういう薬なのかの概要をご説明します。

1-1　ビブラマイシンはアメリカのファイザー社が製造・販売している抗生物質

ビブラマイシンの製造元は、アメリカのファイザー株式会社という、世界で3本の指に入る製薬メーカーです。アメリカのファイザー社はほかにもバイアグラやハルシオンなどの薬を作っているので、ほかに利用した経験がある人もいるかもしれません。

そして、ビブラマイシンは抗生物質です。抗生物質というものは、ほかの医薬品が化学的な合成によって作られるのに対し、カビなどの微生物を活用して作る、他の微生物などの発育を阻害する有機物質の医薬品のことです。ですのでビブラマイシンも基本的には、ニキビの原因になる菌の発育を邪魔することで、ニキビの悪化を防ぐというものです。

1-2　ビブラマイシンは「殺菌」ではなく「静菌」する薬

このように「菌」の生育を邪魔するというと、その菌を「殺してしまう」殺菌の薬という印象がありますが、ビブラマイシンはそれとは働きが異なります。

1-2-1　細菌を殺さずに、増殖を抑え、寿命が来るのを待つ

本来、細菌は、ヒトの身体の中でどのように繁殖するかというと、それは身体のあらゆる部分の栄養や原料になるべきタンパク質を横取りして、それを栄養に育っていきます。

この細菌の繁殖のメカニズムに、ビブラマイシンはタンパク質と細菌がくっつくことを阻害して、それを栄養にさせないようにする、アプローチしますということで。ですので、細菌が繁殖しようとしていても栄養が確保できないので繁殖が止まり、そして徐々に寿命によって死滅していきます。これを、菌を直接的に殺す「殺菌」に対して「静菌作用」と言います。

1-2-2　「静菌」は「殺菌」より安全

「殺菌」というものは悪い菌を殺すと同時にその周囲にあるよい菌までも一緒に殺してしまう、という弊害があります。たとえば、抗ガン剤はガン細胞を殺しますが、周囲の健康な細胞も殺してしまうので、患者はひどい副作用に悩まされるのです。しかし「静菌」は身体にとって良いことをする菌には全くアプローチしませんので、このような副作用が起こることはほとんどありません。

ただし、イメージお分かりいただけるように、まるで城攻めの兵糧作戦のようなものなので、細菌が完全に死滅するまでに時間がかかり、その意味で即効性には欠けている、という欠点もあります。