ニキビ治療で抗生物質は安全?これだけは知っておきたい効果と副作用

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ニキビに悩んだ末に思い切って皮膚科を受診すると、たいていの場合は抗生物質を処方されます。しかし、抗生物質って少し怖くないですか?副作用が強いという話もありますし、そもそもどういう薬なのかもわかりません。わからないまま皮膚につけたり、飲んだりするのは不安ですよね?

そこでここでは、ニキビに処方される抗生物質とはどういうもので、どうニキビに効いて、どのような副作用と注意点があるのか、ということを徹底的にレポートします。

目次

1 抗生物質ってどういうもの?基本は「菌を殺す」薬
1-1 抗生物質は感染症に効果のある薬
1-2 ニキビで処方される抗生物質は2種類
1-2-1 塗るタイプの抗生物質
1-2-2 飲むタイプの内用薬

2 抗生物質の効くニキビ、効かないニキビ
2-1 ニキビの種類の復習
2-2 ニキビの原因菌によって、抗生物質の効き目は変わる
2-3 実は抗生物質は赤ニキビにしか効果はない
2-4 ニキビが出来やすい人は抗生物質だけではダメ!

3 ニキビで処方される抗生物質は主に4種類。その効果と副作用は?
3-1 細菌の増殖をおさえるマクロライド系の抗生物質
3-2 ニキビ治療で多く用いられるテトラサイクリン系の抗生物質
3-3 耐性菌がすくないニューキノロン系の抗生物質
3-4 汎用性が高いセフェム系の抗生物質

4 抗生物質との付き合い方。副作用と使用上の注意点をしっかり理解して!
4-1 抗生物質すべてに共通する副作用
4-2 飲むうえ、塗るうえでの4つの注意点
4-2-1 抗生物質は必ず飲みきる、使い切る
4-2-2 使用回数と使用する時間を守る
4-2-3 内用薬の場合はしっかりと水で飲む
4-2-4  使用後の自分の様子を観察する

4-3 抗生物質にも欠点が!使用するうえで理解しておくこと
4-3-1 アクネ菌に効かない場合も
4-3-2 生活習慣も合わせて変えないと効果が出ない
4-3-3 長く飲み続けると抗生物質が効かなくなることも
4-3-4 肝臓に悪影響があることも
4-3-5 アクネ菌を全て殺してしまうのも問題

まとめ

1 抗生物質ってどういうもの?基本は「菌を殺す」薬

出典 | O-dan 

1-1 抗生物質は感染症に効果のある薬

抗生物質について説明するためには、まず感染症というものに触れる必要があります。感染症とは、人から人、あるいは動物、植物、土、空気などから人に菌が入り込み、それによって発病する病気のことです。今でこそ感染症はほぼ対策が見つかっていますが、医学はこの感染症とずっと戦ってきた歴史ということが言えるほど、この感染症は人間にとって大きな脅威でした。

たとえば、コレラやペストなどのように、過去、猛威を振るって何十万人もの死者を出したような病気はだいたい感染症ですし、いまだに治療法が見つからないエイズも感染症です。

その感染症との戦いに、人間が勝利するきっかけになったのが、1929年に発明された、結核の治療薬として初の抗生物質であるペニシリンです。この発明によって「死に至る病」だった結核が「治療して日常生活に復帰できる病気」になりました。ここから抗生物質は感染症の特効薬として、さまざまに開発されて、人間の健康に貢献してきました。

その抗生物質ですが、少し難しくその定義を言うと「微生物が作った、他の微生物の成長や繁殖を阻害する化学物質」のことです。先に書いたペニシリンは青カビから発見されましたが、青カビも微生物の1種です。ただ、それ以降科学が進歩し、微生物以外の化学物質からも同じような働きをする化学物質が作られるようになりました。これは厳密には抗生物質ではないので、区別するために抗菌剤と呼んでいます。

ただし、この記事ではその区別は煩雑なので「細菌などの微生物を殺す薬」を一括して抗生物質と呼んでいくことにします。

1-2 ニキビで処方される抗生物質は2種類

さて、そのような抗生物質ですが、皮膚科医に行くと、同じ抗生物質でも2種類の形状のものを処方されます。

1-2-1 塗るタイプの抗生物質

クリーム状や液体状になっていて、それを患部塗るタイプの薬を外用薬と言いますが、こういうタイプのものがニキビに処方されるのはイメージとしてはわかりやすいですね。これらの抗生物質はニキビの原因であるアクネ菌を殺菌する働きをして、ニキビの赤い腫れを鎮めてくれます。

ただし、あとで詳しく触れますが、この抗生物質はニキビの炎症を抑えるだけで、ニキビそのものを治癒させるものではありません。ニキビの腫れはおさまっても、ニキビとしてはそのまま残っています。また、炎症を抑えるのが働きなので、炎症の起きていないニキビには効果はありません。

1-2-2 飲むタイプの内用薬

外用薬に対して、錠剤などを口から飲むタイプの抗生物質を内用薬と言います。皮膚にできた疾患であるニキビに、内用薬で治療というと少し疑問に思うかもしれませんが、有効成分が口から入って胃で吸収され、それが血液に乗って患部に運ばれて効果を発揮する、というメカニズムなのです。

外用薬は皮膚の表面から薬を浸透させるので、皮膚の奥深くにできたニキビや毛穴の奥の炎症にはなかなかそれが届かずに効果を発揮しずらいのに対して、内用薬は血液から供給されるので、それらの外用薬が効かないニキビにも効果を発揮します。

ただし、やはり効果としては炎症を抑えることなので、外用薬と同様に、ニキビそのものを消してしまう、という効果はありません。


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